April 04, 2005

喉が詰まる

うたた寝をしていた。

わたしは、スーパーで試食販売の人に羊羹をすすめられる、という夢を見ていた。


わたしは羊羹を一切れ口に入れて飲み込もうとするのだけれど、

なぜか喉がマヒしたように動かなくって、

羊羹は飲み込めも吐き出せもせず、とても苦しい。


喉に詰まったまま、喉は自分の意志で動かせず、

その詰まった苦しい感覚だけが、妙にリアル。


そして飲み込むに飲み込めずに苦しんでいる最中に、

自分がもう半分目覚めかけていることに気づいた。


わたしは,自分がうたた寝して夢を見ているということに気づいていて、

自分が現実にどこにいるのかもちゃんと解るくらい意識はすでに目覚めているのに、

喉はまだ深い眠りの中にいるのだ。


完全に目覚めさえすれば喉も動かせるし この苦しさも消滅する、と

頭ではっきり解っているのに、それがどうしても、なかなか目覚められない。


体だけが、深く眠りの淵に沈んでる。

体だけが眠ったまま、悪夢の中を彷徨い続けてる。

そして意識だけが、リアルに窒息感を認識してる。


自分でどうにもできないまま苦しんでいる、

その時間は異常に長く、永遠に続くかのように感じられた。



やっとのことでどうにか完全に目覚められた時は、思わず深い溜め息がもれた。



私の死んだおばあちゃんが、呆けで半植物状態になって寝てた時、

よく痰が詰まって機械で吸い出してもらっていことを、ふと思い出した。

それってこんな感じの苦しみだったのかなあ、と、何となく思った。


「自分のからだが、動かしたくても動かせない。

苦しさの感覚だけは、リアルにある」、そういう状態。


逃げたくても逃げられない、いつ終わるかとも自分ではわからない、

そういう苦痛。

地獄ってこういう感覚なのかも、と思ったりもした。


覚めたくても覚められず、

まるで永遠のように長く感じてしまう苦しい夢の中で、

溺れ、もがいているような、そんな感じ。


こりゃ、つらいっす。


あー、よかったなー、目が覚めて.......と

なんかしみじみ思ってしまった。









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